午後1時、帰宅。
(初日から、成績表もらった……)
「だいたい、いきなり学力テストって、どういうことだよ!
リバーブロッサム・ヒルズの高校って、レベル高いとは聞いてたけど!」
「こんなの、エーナさんに見せられないや」
クシャクシャ……
「俺の人生、こんな紙切れ一枚に、左右されるかっての!」
腹が立ったから、丸めて踏みつけて、土に返してやったんだ。
「ただいま」
「おかえり~。あんたの部屋、地階に用意しといたわよ。階段下りて、右手側ね」
あれ? エーナさんって、仕事してないのかな。ずっと家にいたの?
でも、香水の匂いがプンプンする……。
俺が学校に行ってる間、外出はしてたみたいだ。
(階段下りて、右。
ここかー)
「うわぁ……」
必要最低限のものしかないけど、すごいや。
自分の部屋って持ったことないから、うれしいかも……!
「エーナさん! 家具揃えてくれて、ありが……と?」
あ、寝てる。
まだ、昼なのに。
起きてから、改めてお礼を言おっと。
それにしても、この家、屋根ばかりでなく、娯楽もねぇぇぇぇっ!!
宿題の前に、まず遊びたい!
でも、遊ぶものがないっ!
と思ったら、こんなところにPCが。
(この際、ソリティアでもなんでもいい。
お? なんか面白そうなPCゲームが二つも入ってるぞ)
「『シムズ3』かぁ。これやってみよ」
「う~ん……、むにゃ……」
「うるさい。(このクソガキ……。人が働いて疲れてるってのに。
……私も、もう一仕事の前に、ちょっと遊んでこようかな)」
「おもかじーい! とりかじーい! よ~そろっ!!」
俺にとっての唯一の娯楽はPCだけど、エーナさんにとっては浴槽が立派な遊び道具みたいです……。
前へ / 次へ
PR
トラックバック
トラックバックURL: