翌朝。
自転車盗まれたから、タクシーで公園に行きました。
ソーセージ持って。
今日の朝食は、公園でホットドッグです。
なんて優雅な朝だろう。
学校の仕事をしていたら、平日にこんな時間は持てませんね。
(自転車買うお金、どうやって稼ごう……)
タクシーで移動するのもなんなので、早いうちに自転車を再購入したいです。
その為にもお仕事頑張らなきゃ!
(しかし、ツインブルックも平和な町だよなぁ……)
さて、優雅な朝食を終え、昨夜受けた依頼に取り組みます。
あんたの家のノームがロージーって女に迫害受けてるわけね。
しかしゴミ箱あさりは気が進まないなぁ。
ロージーさんの家にやってきました。
大邸宅です。
(誰が汚いゴミ箱あさりなんかできるか……)
とりあえずノーム迫害の証拠の品を見つければいいのかな。
だったら家探しの方でも、何か見つかるんじゃないのかな。そんな期待です。
しかし功さん、いつの間にピッキングの手口なんて覚えていたんだろう。
論理スキルもゼロだし、開かないだろうな、なんて思っていたら。
あっさり開きました。
功さん、探偵より泥棒になった方がよかったんじゃない?
(証拠、証拠っと)
ピッキングで侵入した身なので、常に忍び足で移動です。
「何か音がした……」
うわ! 家の人はご在宅でした。
しかしこの人がノーム迫害疑惑をかけられているロージーさんみたいです。
「誰もいない。気のせいだったのかしら」
功さんはいち早く二階へ移動していました。
「証拠……」
「この絨毯の下が怪しい……」
絨毯ゲット!
って、盗みに入ったんじゃないーーー!!
探偵でも物を盗んだりできるみたいですね。
(そんなつもりじゃなかったんだ。絨毯、返しとこ……)
さすがに罪悪感を感じたので、すぐに家の外に出てロージーさんちの郵便受けに絨毯突っ込んどきました。
「やれやれ。結局ゴミ漁りか」
仕方ありませんね。
クサいけど、我慢します。
そしてゴミ箱からつま先がぼろぼろになった靴を見つけた功さん。
動かぬ証拠をロージーさんに突き付けようと家に戻ったのですが。
まだ忍び足?
「ロージー、観念しろ。証拠はそろってるんだ」
「……玄関の鍵、閉めてたはずなんですけど、どこから入ってきたの?」
……不法侵入につき、帰れって言われてしまいました。
すみません。出直してきます……。
警察呼ばれなくてよかった。
(くそっ。
探偵稼業って、こんなにきついのか)
「ロージーさんのシャツが汗臭かった……と」
事務所に帰って、報告書作り。
自由業は自分で働く時間を決めないと、だらだらチャンスを受け続けるだけになってしまいます。
六時を回ったら、仕事以外のことに時間を使うことにしました。
今後の探偵稼業の為にも、リフレッシュを兼ねてスポーツスキルを上げていきます。
「兄ちゃん、今日はどんな事件を解決したの?」
「むしろ俺が事件にされそうになった」
もうピッキングも盗みもやりません。清く正しい探偵になります。
功さん、「非常識」だけど「卑劣」じゃないし「盗癖」もありませんから。
ノーム事件を解決したせいか、お土産にノームをもらいました。
とりあえず飾っておきますが、功さんちのノームが他の心無い住人に迫害を受けないことを祈ります。
翌日。
探偵職のレベルが上がったせいか、少しずつまともな依頼が入るようになりました。
この人、近所に住む怪しい人が怪しいことしているみたいだから、調べてほしいそうです。
(怪しい人調べてって、俺が今まさに怪しい人そのものじゃね?)
人の家の郵便受けを調べる羽目に。
清く正しい探偵になるはずだったのに!
(隣の人が何してようが、どうでもいいだろ。ほっといてやれよ!)
(真っ暗だ。俺の人生真っ暗だ。しかも生ごみの匂いがするし。
『営業資料』って書かれた小包の包装紙ばっかだし)
汚い仕事でしたが、怪しい隣人の怪しい行動記録の証拠が取れました。
犯罪組織に関与していたようです。
「証拠は掴んだ。あとはてめーがおいしい所持っていきな」
平和と思われたツインブルック。
やはりこの街には裏の顔があるのでしょうか。
一見普通に見える住人が、犯罪組織と関係を持っていたとは。
一生懸命仕事をしたせいか、お役所からトロフィーをいただきました。
でかすぎる。
……いらない。
「俺んち小さいし、お前にやるわ」
「なにこれ」
「僕も、こんなトロフィーいらないし」
「……だよね」
売ってもゼロなんですよね。
このトロフィー。なんて役立たず。
さて、この夜も両親が留守のベイレス家でくつろいでいたら。
あら、幽霊?
この区画、お墓なんてあったっけ?
よくよく探したら、寝室に骨壺が。
なんてところに置くんですか。
ベイレス家のお父さんそっくり!
どうやらテイ君のおじいちゃんみたいですね。
ベイレス家にも、功さんが知らない秘密がまだまだいっぱいあるのかも知れません。
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