今日は日曜日。
そして明日は月曜日。
憂鬱な気分で焦げたワッフルを食します。
仕事が忙しくて、何かと放置気味な畑。
一匹狼でもできる仕事って、やっぱり自営業しかないのかな。
「決めた。俺は仕事を辞める」
家事をしていたらすっかり日が暮れました。
決心した功さんは愛車を駆って、薄暮の街へ。
おー、雰囲気ありますね。この眺め。
向かった先は警察。
学校の仕事を辞めて、探偵になることにしました。
一匹狼の探偵、なかなかいいじゃありませんか。
「俺、探偵になったんだ。
一匹狼の探偵小説、書いてみない?」
「面白い事件を教えてくれたらね」
アンナ・リザさん、いつのまにかヴァンパイアになっておられました……。
「実際の探偵って、小説ほどかっこいい仕事じゃないわよ」
「運動場の監視より楽なら、なんだっていいんです」
このお婆さんの家、屋根裏に骨壺があるんですよね。
いつか功さんに暴かれなきゃいいですけど。
さて、無事新しい仕事にも就いたし、場末の酒場へ一杯やりに行きます。
ツインブルックにある「赤いランデブー」という店を、バーに改造したところです。
「オニオンリングひとつ」
「あいよ」
あら、バーテンのお姉さん、かっこいい美人さんだ。
「ほら食え」
「……」
その目力がたまらんです。
ここはぜひともお知り合いになっておかねば!
出身校を尋ねたら、どうやら同窓らしいです!
しかしなぜかマイナスが。
お姉さん、功さんと同窓なのが気に食わないんでしょうか……。
「トマトの苗を植えるコツはだな」
「聞いてないし、そんなこと」
どうも相性はよくなさそうだね。
さあ、月曜日です!
昨日は夜更かししたので、午前も遅くにようやく起き出した功さん。
新しい仕事着に身を包んで、ある場所へ向かいます。
ツインブルックの、ちょっとさびしい道を通り抜けて……。
いかにもやっつけ仕事な豆腐ビルへ。
功さんの家ではノートパソコンを置くスペースがないので、仕事場としてこのビルを建てました。
中には狭い探偵事務所。
今日からここでお仕事をしましょう。
仕事の依頼はないかな。
「マウスウォッシュ? 歯ブラシのことか?」
家族の誰かにマイ歯ブラシを隠されてしまったお子様からの依頼です。
探偵の仕事か、これ。
チャリンコ探偵の初仕事です。
依頼主に会うため、丘陵地帯をひたすら行く功さん。
つか、いま学校の時間のはずなのに、なんでこんな人里離れた山の中に探しに行かなきゃいけないんだよ!
「お前、学校に戻れよな」
「不登校になりかけてた運動場の監視員に言われたくないし」
あら、このお子様、この間会った美人さんの娘さんでは。
あの美人さん、ギリアンって名前だったのね。
娘のキオンちゃん、サンドイッチを盗み食いしたために、母親のギリアンさんに歯ブラシを隠されたと言っているようです。
うん。すごくどうでもいい事件だ。
「お母さんごめんなさい」の一言ですべて解決するじゃないか。
「ということで、そろそろ娘さんを許してやってくれませんか」
「え?」
「つか、娘さんが学校サボってる方が大問題ですよね」
ギリアンさんはコインランドリーにいらっしゃいました。
ああ、それにしてもギリアンさんってやっぱり美人……!
「お前の母親と俺はそれなりの仲だからな。
うまく話して許してもらったぞ」
キオンちゃんは、まだ人里離れた場所をうろうろしていたようです。
「一応仕事だから、報酬はいただくぞ。
領収書はちゃんと書いてやる」
「……お金、とるんだ。
子どもからも……」
(最近の子どもは怖いな……)
事件というか家族間の軋轢を解決して、共同菜園の自主張り込みを始める功さん。
なんか、気合入った格好している人が仁王立ちしてる。
「……あんた、後ろからみたら丸見えよ。
前からもほとんど丸見えだけど」
「ちっ」
この目立ちすぎるカモフラージュ、どうにかならないものか。
功さんが張り込みごっこに飽きた時、突然人が倒れました。
低血圧か? 熱中症か?
すぐに救急車呼ばなきゃ!
……目を開けたまま寝ているヴァンパイアでした。
わずかにほほ笑んでるようにも見える……。
(この顔、事件だろ。スクープだろ。
くそ! こんな時に限ってカメラもってねぇし!!)
歯ブラシ隠されて事件になるなら、ヴァンパイアが気絶したら大事件ですね。
(委託販売所でカメラ買わないとな……)
探偵初日で、いろいろありました。
自宅に帰って請求書を払います。
請求書、また地面にたたきつけられてたよ……。
「よう、テイ」
「兄ちゃん、今日は運動場にいなかったね。もしかして引きこもり?」
自宅では癒し系のお姉さんが、宿題中でした。
また両親は夜遊びですか。
「夜遅いから、本読みに来てやったんだ。
仕事変えたから、これからは毎晩読んでやるぞ」
「え……」
おや、電話です。
新しい仕事の依頼。
明日の仕事はこれですね。
さらに。
いやな音楽が鳴って、功さんの自宅に視点を移しました。
うわ、泥棒! こんなせまっ苦しい区画に泥棒が!
盗るのか? やっぱり盗るのか?!
茂みの中にいて、こいつが何を狙っているのかさっぱり分からないよ!
何かを取り終えて、帰路につく泥棒。
「こらーーーーーーーーー!!」
功さんがダッシュで帰宅していますが、もう間に合いません。
結局、唯一の足である自転車と、玄関先の雨よけが盗まれました。
ノートパソコン買ってお金がすっからかんの時なのに!
前へ / 次へ
PR
トラックバック
トラックバックURL: