外から台所の様子が見える。
そろそろ夕食の支度?
「レモンとー。オリーブオイルとー」
今日釣った魚を料理してくれるみたい。
楽しみだなー。
「お魚ちゃーん♪」
姉貴は、水槽で遊んでる。
あ、この家鳥も買ってるんだ。
本当に色々ある家だなー。いいなー。
でも意外と、テレビは無かった。
外は雷雨。
日が落ちたら、雨が降ってきたんだよね。
天気予報、当たってたんだな。
そろそろご飯が出来るので、みんな着席。
「ちょ、鳥が食卓の上を飛んでるわよ~!」
「そりゃ、鳥は飛ぶものよ。あんた言うことも面白いわね~」
綺麗好きMAXの姉貴は、気になるらしい。
「出来たで~」
「待ってました!」
昼は食べてなかったから、お腹がペコペコだよ。
ん、あれ?
そ、それは!!?
しかも脱ぎたてのごとく、湯気が立ってますけど……!
「召し上がれ♪」
「……」
「なあ、チャーリー、これって本当に夕飯」
「たぶん、ヴァズさんが釣った方の長靴っすよ」
「おかわりあるし、どんどん食べてなー」
食べられるの!?
いや、さっきからすごくいい匂いはしてるんだけどね。
「……初めて食べるわ」
「俺も……」
一口パクリ。
「これは……!?」
それよりチャーリー、すごい食べ方だなぁ。
そんなに腹減ってたの?
「おいしーじゃない! 火の通り具合といい、塩加減といい」
「うん。こんなにおいしい長靴、今まで食べたことないかも」
「やろ?
あんたら兄弟、ノリ良くてよかったわ。
私この間この料理を私立高校長に出したら、怒って帰らはったもん」
え、校長に出したの?
「弟が、奇跡的にCの成績とった瞬間に呼んだんやけど。
……ちょっと」
「んまいんまい!」
「がつがつハグハグ!」
すごい食べっぷりの人が二人。
「お姉ちゃんもチャーリーも……。
お客さんの前で、恥ずかしいわ」
三人兄弟って、真ん中が結構苦労するものかもね。
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