「うっわー! すごい雨!!」
夜中から降りだしてテントに避難したんだけど、本当にどしゃ降り。
「明け方の雷すごかったっすね」
「俺、直撃受けるかと思って、慌ててテントに入ったよ」
「せっかくのお泊りなのに、残念やったなぁ」
「また秋に来たらいいわよ。畑の野菜も実ってる頃だし」
「もぐもぐ。この苺ジャムおいしいわね……」
姉貴一人だけ、話を聞いていないという。
「畑だけやないて! 秋は落ち葉掃きも大変やわ」
「ほんと。毎年、暇こいてる十代かき集めて落ち葉焚き大会開くくらいだもんね」
「姉ちゃん……。その十代はすべて我が弟の、罪無き友達っすよ」
「今年からその十代に、俺も入っちゃうわけ?」
「うちの義弟でよかったら、どんどん使ってくれていいわ。エネルギーあり余ってるみたいだし」
「朝飯までもらって、ありがとな。すんげぇ楽しかったわ」
「また遊びに来るといいっすよ。テレビ無いけど、他は色々楽しめるもんあるし」
「来たらやっぱり、庭いじりに駆り出されるわけ?」
「宿命っす」
でもちょっとの手伝いで、あんな立派な夕食食べさせてもらえるんなら、毎日遊びに行ってもいいかもね。
「さよなら、また学校でー」
「お世話様~」
帰宅の徒へ。
それにしても本当にすごい雨だよね。
「ただいまー」
というわけで、日曜日は雨。
雷まで鳴り出してきたよ。
「お泊り、楽しかったわね♪」
「うん。今日の新聞、ここに置いといたら乾くかなぁ」
「自然乾燥より、ドライヤー使った方がいいわよ」
帰ったらすぐにミシン。
「テディベア、作りかけだったっけ。
はぁ。早く家もきれいに内装したいなぁ」
科学の趣味に目覚めた俺は、新聞が乾く間ももどかしく、天気予報欄を速攻チェック!
いいね、天気図♪
でも、天気予報は大ハズレ。
いま空気乾燥してるどころか、どしゃ降りなんですけど。
どれくらいひどいかって言うと、たまたま家の前を通りかかった人に、雷が落ちるくらい。
この人は黒焦げのまま、通り過ぎていきました。
外雨だし、運動しようかな。
この大きな鏡、姉貴がヨガするために買ったらしいんだけど。
姉貴がヨガしてるとこ、見たことないなぁ。
「コンニチワ! ボクはクマ界の負ケ組なクマのプーダヨ!」
「……あ、また縫いぐるみ完成したんだ」
しかし負け組みって……。
あー。
これはひどい。
完全な失敗作だね……。
「ふう。今日はもう、やる気無くした……。
こんな時は、お掃除よね」
ほとんど使ったことのないキッチンカウンター。
まるで姉貴に磨かれるだけに存在してるみたい。
ほんと、料理したこと無いんだよね。
ピザや中華の包みを置いたことしかないんじゃないかな。
「コーヒーテーブル欲しいなぁ。旅行もいいなぁ……。
でも、お金ないし……」
無職ゆえに毎日フリーな姉貴でも、ストレスは溜まるらしい。
その日の晩。
「よし。決めた!」
「何を?」
本棚の前で姉貴がなにやら決心。
「今日の夕ご飯は、手作りよ!!」
えええええええええ!!?
本当に!???
「パン屋さんで買ってきたナンに、ガーリックバターを塗って、ミックス香辛料を振って……。
料理の本を読んだから、どうすればおいしくなるかくらい、分かるわ。
味見が大切なんでしょ?」
わざわざ本を読むレベルの料理ではないと思うけど、コンロに加えて包丁も無いこの家ではこれが精一杯なのか……。
なんにしてもピザも中華も飽きてきてたから、嬉しいな。
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■おまけ
オッドネス家では、たびたびチャーリーの友達を招いて、パーティーやってます。
家が広いから、みんなでスラップダンスなんてこともできる。
ナワン家では考えられないことです。ってあの家、ラジオさえないんですけど。
ヴァズゲンと、名家ゴス家の跡取り。
ちょっと老け気味のアフロな彼女は、チャーリーの彼女だったりします。
NPCですが。
隣の彼女は、ロス家の跡取り。
ゴス家の跡取り君とは従兄弟同士です。
踊りつかれたのか、食事を始める子達も。
手前の女の子は、ランドグラーブ家の跡取り。
チャーリーの交友関係には、名家が名を連ねてます。
ちなみにヴァズゲンは、ロス家の彼女にハートを飛ばしてました。
……でもこの子、顔面データ消失疑惑(雑記で少し触れてます)があるし、許婚もいるから。
何より彼女の方は彼に全然興味ないみたいなので、残念だったね、ヴァズ君。
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