姉貴のお使いも兼ねて、まずは手作り雑貨の店「プチ」にやって来た。
そこそこ、大きなお店じゃないのかな。
食事が出来そうなテラスもあるし。
「こんにちは~」
お、ぬいぐるみとか壷とか、いろいろ置いてある。
「いらっしゃい。何か買って行ってくれるの?」
「いえ、俺が今日来たのは、姉貴が鍋つかみの作り方を教えてって事なんですけど」
「あら、エーナさん、お裁縫を始めたのね。
それじゃ、初心者用の型紙を作っておいてあげるわ」
「ありがとうございます」
「ところで、このお店でバイト雇う予定とかあります?」
「私一人で足りてるわねぇ。
そうだ。海岸通りのお花屋さんはどうかしら。
品数がすっごく多いのに、一人で経営しているみたい。人手を欲しがってるかもしれないわ」
お、さっそくいい情報をゲット!
というわけで、お花屋さんへ。
「花束と、他のもの」っていうお店だったかな。
変わった名前。
店内。
確かにすごい品数だ。
あれ? このおばさんいい匂い……。
と思ったら、匂いの元はあの花だった。
ピンクの煙を噴出して、なにかエロい……。
いや、怪しい雰囲気だ。
この人が店長さん。
「バイトとか募集してません?
俺、レジでも、在庫補充でも頑張ります」
「おおっ! やる気満々だね、君!!」
「でも、いらね。あははっ!」
え? ちょ……!
瞬殺された……。
あれ? ここもお店なのかな。
看板が出てる。
「お邪魔しまーす」
店、ちいさい!
えーと、ここは家庭用ロボットとかを売ってるみたい。
「あのー……」
「ここは、坊やみたいなスッテンテンが来るところじゃないわよ。お帰りなさい」
人手も足りてるみたいだね。
(坊やとか、スッテンテンとか……。
今に見てろよっ)
あれ、お客さんが。
あの人、俺ん家のまた隣に住んでる絵描きのおじさんだ。
「やあ、ヴァズゲン君。こんなところで何してるんだい?」
「バイト探してて。なかなかいい勤め口が、見つからないんです」
「ダウンタウンなんてどうかな?
忙しい町だから、バイトの口もたくさんあるかもしれないよ。
ブルーウォーター村はだいたいが家族経営だから、人手もそんなに求められてないんだよ」
「ダウンタウンかぁ。でも高校では、ダウンタウンでのバイトは禁止されてるしなぁ」
ちなみにこの小さなお店。
裏手に小さな運動場スペースがあった。
ちょっと遊んでいこうか。
華麗なるシュート!!
「ゴールッ!!」
体力だけには自信があります!
もうちょっとだけ、バイト口探してみようかなぁ。
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