そろそろパーティーを始めましょう。
タラちゃん、同じアパートに住むジャスティン君をお家デートに誘いました。
「いらっしゃい♪」
「あれ? タラちゃん、すごいおめかししてるんだね」
「だって、クリスマスイブだもの」
(うふふ。彼ったら、本当に鈍いんだから。
よーし、こうなったら、私が全部リードしちゃうっ!)
今夜こそ、ファーストキスにこぎつけるつもりです。
がんばれ。
「ちいさなお姫様。お食事でございますよ」
「うまーーっ」
さすがはトレントさん!!
やっぱりできる執事は、ちゃんと赤ちゃんの面倒も見てくれるんですね。
ということは、あの赤毛の執事も、若干ダメ執事だったということか……。
二本目?!
そんなにお腹がすいていたんでしょうか。
(あの女、どこで見たっけ……。
別れた妻に似て……。本人!!!!?)
アルマンドさん、今夜のパーティは波乱に満ちたものになりそうですね。
ところが、タラちゃんにも大変なことが起きていたのです。
「ジャスティン君?」
「門限20時なんだ。ママがうるさくってさ。バイバイ」
「……」
同じアパートの子を家に招待しても、20時になると必ず帰ってしまうようなのです。
今回はデートしている状態だったのですが、それでも帰ってしまいました。
何度電話で招待し直しても、すぐに回れ右して帰ってしまいます。
これではデートもファーストキスもできません。
ヤケになったタラちゃん。
パーティーに呼んだほかの友達とファーストキス!
「……」
養子とはいえ、娘のファーストキッスを前に微妙な表情のアルマンドさん。
おまけに今日はジョフさんの愛人候補として前妻まで来ています。
彼にとって、今日は大変なクリスマスイブになりそう。
「ついに僕の子どもが……。
でも、いつかは僕より大切な男性ができるんだよね……」
色々と感無量なコナーさん。
嫁入りの話は、ブリタニーにはまだ早いよ。
「はーい、高い高……」
「げろ」
お約束です。
そうこうしている間に、サンタクロース降臨。
「ホーホッホ! メリークリスマース!!」
「おっ、来た来た」
(あんまりおめでたくない……)
一部の人には歓迎されてませんが、今日のメインゲストです。
楽しんでいってくださいね。
「あの、キンバリー……」
「サンタさん、あなたのクッキーに釣られて、来てくれたわね♪」
「それより、ジョフさんが今日連れてきた女性、僕の前妻なんだ……」
「前妻?」
「まあまあ、アルマンドさん。今日くらい、過去の事忘れてパーッと遊びましょうよ。
今は僕の恋人なんだし」
「いいかね、ジョフ君! これだけは言っておく。
あの女は最低だ。君に近づいたのだって、金のために決まってるんだ!!
それに、君に飽きればすぐに別の男を作るぞ。そういう女なんだ!」
「アルマンドさん。本人の前でそういう話は慎みましょうよ。紳士らしく、ね」
(どうしようっ! お父さんとジョフおじさんが喧嘩してるよぉ……!)
お父さんもジョフおじさんも好きなタラちゃん。
ショックを受けて、部屋から飛び出していってしまいました。
「サンタさんだわ!」
「サンタだサンタだ♪」
「……座って食べたいから、そこどいてくれんかのぅ」
こちらは平和なダイニング。
「どうして、どうしてこんなことになっちゃったの!」
自室まで駆け込んだタラちゃん。
ボーイフレンドは帰っちゃうし、お父さんとジョフさんは口論してるし。
彼女にとって、今日は最悪の晩になってしまうのでしょうか。
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