色々大変なクリスマスイブです。
「まさか、あなたが前夫の所に居候していたなんて……」
「世間は狭いものですね。申し訳ありませんでした」
「構いませんのよ。私は」
「何が『構いませんわよ』だ! 君は僕に何をしたか、まだ分かってないのか!」
「うるさいわね。私たち、もう赤の他人なのよ!
それにあなたには、新しい若い奥さんがいるじゃない!
有能な養子も引き取ったんですって?
私がいなくなって、あなたは全ての望みがかなえられたんじゃないの!!!?」
新しい若い奥さんは、サンタさんと楽しく夕食中です。
リビングでの口論など、どこ吹く風。
「サンタさんの好物って、やっぱりサンタ・クッキーなんですね」
「以前招待された家では、子どもに一寸先にクッキーを食べられてしまってのぅ。
腹が立ったから、プレゼントはなしにしたんじゃ」
「……大人げないわねぇ」
再びリビング。
「うわさを聞いたぞ!
離婚したあとすぐに、町の金持ちの爺さんをアパートに連れ込んだそうじゃないか!」
「だからどうだってのよ! お友達をお茶に呼んだら、いけないのかしらっ!!?」
「だいたい、別れた妻のうわさなんか、どうでもいいはずなんじゃないの?
まだ私の身の回りを嗅ぎまわってるなんて、変態だわね」
「むきーーーーっ!! 誰が変態だっっ!!!!!!!」
「あはははははははははっはははははははは!」
醜い喧嘩をする二人の脇で、犬の写真見て大爆笑中のジョフさん。
自分がこのパーティーをめちゃくちゃにしたのに、まったく責任感じてません。
「ジャスティンのばか……。
ばか、ばか、バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカっ!!!!」
こちらは傷心のタラちゃん。
一人日記を書き綴ってました。
「あの……」
「だ、誰!!?」
いつの間にか後ろに立っていたのは、やけくそにファーストキスをあげちゃったお友達です。
(いいもん! ジャスティン君なんか、もう知らないもん!!)
タラちゃん暴走中。
少年よ、キスする時はちゃんと目を閉じて欲しい。
半目って……。
(ふん。勝手にしろ。あのメス豚め!)
アルマンドさんも、投げやりムード。
パーティのどさくさにまぎれて、コラリアばあちゃんもリビングに下りてきてます。
「お宅、うるさいです」
「そう? 人がたくさんいるだけで、ラジオもテレビもつけてないんだけど……」
垣根の刈り込みでまだアパートにいたらしい大家。
おばあちゃんにクレームです。
「サンタさん、うちのブリタニーとお友達になってやってくださいな」
「うむ。では、クッキーのお礼を兼ねて、わしからブリちゃんにクリスマスプレゼントじゃ」
プレゼントは、くまちゃん。
ブリタニーが大きくなったら、遊ばせてあげましょう♪
それにしても、アルマンドさんと前妻、タラちゃんとその辺の少年の二組のおかげで、サンタさん空気です。
「おまえさん、ゾンビ臭いぞい!」
「レディに失礼ね」
パーティーは、もう少し続きます。
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