さて、チャーリーが案内してくれたのはここ。
「全部地面っす! 心行くまで根こそぎ掘り返すっす!」
「おいおい。ここ狭いとはいえグラウンドじゃん。掘り返していいのかなぁ。
あ、バスケットゴールあるし!!」
せっかくの穴場紹介だったけど、ゴールがあるんじゃここは先に一発決めとかないと!
「う~ん。でも俺バスケ初めてなんだよね。入るかな」
「あ、ダメだ!」
「自分が手本を見せるっすよ」
「手本? 期待していい?」
「農園で鍛えられて育ってるっすから、運動はこうみえても……」
「そぉ~いっ!!!」
「……そぉ~い?」
「……お前、初心者だろ、絶対」
「ミラクルって、簡単には起きないものなんスね」
お約束。
こんな感じで雪の中遊んでいたら、もう一つのバスケットゴールでシュートを決めようとする少年の姿が。
同じ学校の子だね。
もしかしたら、うまいかも?
「………………ちっ」
俺達と同レベルだった。
「あ、コンドーさん。気合入ったアスレチックウェアっすね~」
「お前ら、日曜日までつるんでるのかよ。ヒマなんだな~」
「近藤君だっけ?」
「うん。ヒトシ君って呼んで」
「もっと仲良くなったらね」
「そんな格好で寒くない?」
「寒いけど、俺他に体操服持ってないもん! それよりさ――」
「さっきそこの道路通ったおばちゃん見た?
こ~~~んなお尻して、おっぱいもバーーンッてなって、ダンプカー並みの迫力だったろ!」
「…………見てなかった。って、お前よそ見してたからゴールはずしたんだろ」
このウザいティーンは、同じ学校の近藤均くん。
年中日焼けしてます。下品なジョークが大好きです。
「ところで、出会いがしらにそういう話題はやめようよ。ついてけないから」
「いうね~。それくらい切り返しがうまいのに、学校の成績が校内最悪ってのはどういうことよ」
「ずきーん…………」
「……おまえね、こういう時こそ、切り返してこいって。普通に傷つくな」
「まぁまぁまぁ。2人ともその辺にしとくっすよ」
「よし、俺も男だ。ここは2人まとめてボーリングに連れて行ってやる」
「え、ボーリングあるんだ?」
「ここより暖かいしな!」
話の流れでボーリング場に行くことになったけど。
俺にはちょっとやり残している事があるので、2人とも先に行ってて下さい。
(明日バイトが終わったら、本格的にここを掘り返そう……!!)
結局ホネ一本が出てきただけでした。
明日にかけようか。
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