「輝けトイレ、きらめけ便座♪
今日の朝ごはん、どうしようかな~」
目玉焼きとか食べられたらいいけど、コンロがないしなぁ。
とことこ。
「おーい、おーい! ヴァズ君、いる~?」
「誰かと思えば、近藤かぁ。外から大声で呼ぶなよ」
「呼び鈴押しに行くのが面倒だったんだもん。
今日休校になって、ラッキーだよな」
「近藤も暇なの?」
「まさか。今日は仕事で来たの! お前の姉ちゃん、中古車ほしがってたろ」
「そういうことか。姉貴今留守だけど」
「いい。資料置いてくだけだから」
「俺今から朝飯なんだけど」
「ちょうど良かった~! 俺もまだなんだわ」
「コーンフレークうめ~っ!!!」
「……目玉焼き作れたらよかったんだけどね」
「ところでお前、今日も仕事って?」
「学校休みだから、朝から晩まで廃車いじり。
うちの作業所、むさいおっさんだらけでさ~。
朝の気持ちのいい時間だけでも、ちょっと別の空気吸いたいじゃん」
「朝から晩まで仕事って、すごいな!
じゃあ近藤は学校卒業したら、ラ・フィエスタ工科大学に進学するつもり?」
「うんにゃ。そこまではまだ考えてない。
作業所だけでも、廃車いじりだけは一通り勉強できるし」
「それより、お前の姉ちゃん変わってるよな~。
何で白塗りなんだ?」
「それは俺にも分からない。たぶん永遠の謎なんじゃないかな……」
「だな~。家の学校だって、緑の子がいるし」
「俺植物シムと宇宙シムの区別、いまだにつかないんだ」
「緑は緑でも、シムも色々だもんな~」
「じゃ、資料置いてくから」
「うん。姉貴に言っとく。ごくろうさん」
(コーンフレークだけじゃ、腹いっぱいにならない……。
ところで近藤、どこ行ったのかな。もう帰った?)
帰ったと思ったら……。
「ひょおぉぉ~」
「ほわたーっ!!!」
うわー!! 何をするんだ!!!
「ふう。なかなか手ごわい相手だったゼ」
ああああ~~~! しかもよりによって、姉貴の雪だるま壊してるしっっっ!!
「ちっ、まだ仲間がいやがったか」
あ……。
「二丁上がりぃ♪」
あ~あ。
まぁ、姉貴の雪だるまだけが壊されるよりましか……。
「用が済んだら、とっとと帰れ」
「へ~へ~。じゃ、姉ちゃんによろしく言っといてくれよな」
まったく。なんて奴だ。
「請求書……。払える金額だけど、姉貴が返ってくるまで支払いは待つかな。
この後どうしようかな。バイトの時間まで暇すぎるし」
前へ / 次へ