「真冬にすくすく伸びた雑草……」
水曜日。
この日は、ペンギンの粗相の後始末から始まる。
「くそ~。なんで俺が寝てる間にくるんだよ。ペンギンめ」
頭くらいナデナデさせてくれてもよかったのに!
けっこう雪が積もってるんだけど、学校あるんだな。
休校期待してたんだけど。
姉貴の送迎車も着てる。
「今日も試合かぁ。だるいわね」
「いてら~」
「あんたも早くしないと、スクールバスに遅れるわよ」
相変わらずやる気のない姉貴。
相変わらずのボロボロ車。
姉貴もメジャー入りしたら、もうちょっとましな車が迎えに来てくれるのかな。
午後。
今日も成績表を手に帰宅。
「……うん。いつも通り」
「っつーか、先生、シムの個性は色々って言ってたくせに、
俺たちを同じテストでたった五種類のランクに分類するって、なんなんだよっ!」
とはいえ、28段階評価になったとしても、俺の成績がドン底なのは変わらない気はする……。
「トイレ掃除……」
家に帰ったら、いつもの日課。
でも、この日の俺は昨日と違った。
(トイレ掃除ができないくらい、楽しさが……足りないっ!!!!!)
遊びたいけど、家にはパソコンぐらいしかない!
しかもそろそろバイトの時間だし!
大急ぎで着替えて、カフェへ。
「…………」
シャコシャコシャコ。
バイト先でも掃除が俺を待っていた。
「遊びたい……。でも何して遊ぼう……」
ごしごしごし。
掃除が終われば、接客。
トイレ掃除の後手を洗ってなかったけど、大丈夫だよね。
一応あのトイレは、そこんじょそこいらの台所よりもいつも清潔に保ってるもんね……!
(なんかあいつ、今日はやる気ねーな)
午後八時。閉店。
どうにか今日は乗り切ったぞ。
「店長~、やっと片付け終わりました」
「今日はちょっと長引いたな。腹減ったし、軽く食べて帰るか?」
「食べます食べます」
(手、洗ってから食べよ……)
家に帰ってもたいした食事は出なさそうだし、店長の料理食べていくのが正解かもね。
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