「ちょあーーーっぷ!」
「ぬおーーー?!」
夜の市民運動場で大乱闘をお送りしております。
ベチーン!
バシバシバシッ
その頃の外野。
乱闘そっちのけでバスケしている咥えタバコの姐さん。
「えぇぇぇ~!!!?
ぼ、僕とめた方がいいのかな~~~???」
一応乱闘を見てはいるけど、気の弱そうな植物シム。
こんな夜中に出歩いて、大丈夫なのかな。
しかし。
「はっはっはー!
これが人生経験の差というものだ。少年よ」
「くぅぅ~っ!」
さらに。
「あ、あれ?
俺の財布、どこいったっけ?」
「じゃ、今度こそ本当にさようなら~」
あれあれあれ?
左のポケットにもない。
「っかしーな……。
さっきまであったはずなのに」
「喧嘩している間に、スラレタ!!」
さらに100$近くキャッシュが減ってた。
なんという不覚!!
その後警察に通報したものの、後の祭り。
今日のバイトの稼ぎどころか、それ以上をスられてしまったという。
これが完全なる敗北というやつなのか……。
姉貴、怒るだろうな。
「ただいま……」
憂鬱な気分で帰宅。
帰る道すがら、ペテン師のことをどう話そうか考えてたけど、結局ありのまま話すしかないよね。
「あ、お帰り。
随分遅かったんやな」
家に帰ったら、姉貴じゃなくチャーリーの姉ちゃんがいました。
「街に行った帰りに、ちょっと寄らせてもらったんやけど、エーナちゃんミシンで忙しいし。
とりあえず、ヴァズ君帰るまで居座るつもりやったんよ」
「そうですかぁ。
俺のバックパックに昨日の夜のピザあるんで、食べて帰りません?
はぁ……」
「元気ないなぁ。どないしたん」
「えーと、実は、バイトの稼ぎ全部と+αを、ペテン師にスられました」
「なぬ?」
「あらま!」
「財布すられた上に、喧嘩まで負けたわけー?
あんたエアロバイクで体鍛えてたじゃないの。
情っけないわね」
「だってあいつの方が、それより上だったんだもん!
やっぱりエアロバイクじゃなくて、もっと体が鍛えられるものがないと、だめだよ」
「……そういえば、あんたあのムキムキのフィットネスクラブ会長から会員証もらってなかったっけ?
ジムに行って鍛えたら強くなれるんじゃない?」
「あっ、それでもし本当に強くなれたら、私も連れて行ってくれる?」
「そっか。姉貴も仕事の昇進で、体鍛えなきゃいけなかったっけ」
「いや、あんたも喧嘩に負ける悔しさは知ってるでしょ?
私もいつかはあんたんとこのチビヒゲ店長をぶちのめして、スカッとしたいのよ!」
いまだに店長との喧嘩の負けを根に持つ姉貴。
そうとう負けず嫌いだな。
「まあそれはそれとして、今後は夜遅くまで街をうろつかないことだわね」
「そうだね。
とりあえず今日掘り起こしてきた石4つと、犬用のゴム骨1つを売れば、8割は穴埋めできるし」
俺の一日のバイト代≒石4つ+骨1本
↑という計算式にもなるわけだけど。
ちょっと悲しいこの事実。
「ジムかぁ。
そういえば、最近新市街の外れに新しい運動施設できたらしいね
あそこに行ってもいいんとちゃう?」
アレクサンドラコーブの端っこに住んでる割には情報が早いチャーリーの姉ちゃん。
「学校の近くですか?」
「うん。高級住宅街の道の手前らしいよ。
けっこう大きくて綺麗そうやったわ。ダンス教室が主らしいけど」
「ふーん。私、そこにいこうかな。
ムキムキは苦手だし……」
大変な一日だったけど、チャーリーの姉ちゃんがいてくれたおかげか姉貴もあんまり怒ることなく、和やかな夕食になった。
やれやれ。
発掘も土日の昼以外はやらない方がいいね。
そんなわけで月曜は終了。
眠気をこらえながらお風呂に入って、ちょっと早めに就寝です。
風呂掃除とトイレ掃除やらなかったけど、もう明日でいいや!
「はぁ~。スポーツ選手ってのも楽じゃないわよねぇ」
いまだに何のスポーツをやっているのか不明な姉貴ですが、ミシンで内職までやっていままでになくまじめに働いてます。
今度の夏くらいには、旅行資金たまるといいなぁ。
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