執事ですが、微妙に仕事してくれません。
電話の受話器ぐらい、散らかってるの見たら元に戻して置いてくださいよ。
それに、野良犬にだめにされた花壇も片付けてくれなかったり。
メイドさんは、やってくれていた気がするんですが。
「まさか私がゾンビに……」
おばあちゃん、ゾンビになったのがショックなせいか、時々泣いてます。
かわいそうなので、ちょっと魔法を使いましょうか。
良い魔法「マクトアミカス」で皆仲良し。
というかこの魔法、やはり激怒状態を解除する魔法のようです。
おばあちゃんはゾンビにされたからといってキンバリーに腹を立ててはいなかったので、特に効果無しだったんですが。
「なんにしても、生き返らせてくれてありがと」
「どういたまして」
「おばあちゃんには、あたしのベッドを使ってもらおうかしら」
「そうね。私達はこの椅子があれば、寝る必要もないしね」
おばあちゃんにも、そのうち魔女になってもらおうかな、と企んでいたりして。
試薬購入のために、もう一度それぞれの師匠を呼び出しました。
しかし、キンバリーの師匠がサマンサにいたずらを連発。
「きゃーっはっは! 電気ブザーにひっかかってやんのー!」
「うう~」
「このっ、このっ……!」
「あははっ!
良い魔女じゃ、仕返ししたくても仕返しできないよねーー♪」
たいした黒魔法使えませんしね。
唯一使える黒魔法も、試薬が足りなくて唱えられない始末。
普通の魔法で太らせてやってもいいんですが、キンバリーの友達に手を出すのも躊躇があります。
「我慢は良くないべ?
ちょこっとくらい仕返しも、いいんでないの」
キンバリーからサマンサに、足りない試薬をプレゼント。
残念ながら、キンバリーの師匠は入れ違いに帰ってしまいました。
今度来たら……! 楽しみ♪
気分を入れ替えて、良い魔法の「アペッロ・サーバントゥス」ってのをやってみました。
人型の使いを呼び出し、掃除をしてもらう魔法みたいです。
「透明人間?」
女性のドレスを着てますが、声はなぜか男でした。
執事が帰ってしまった時間なので、ちょうどいいですね。
もくもくと仕事してます。
「試薬揃ったし、おばあちゃん、呪い解く魔法試してあげる」
「呪い~?」
魔法は、対象のシムもしくは自分、地面などをクリックすると、唱えられるものが出てきます。
呪いや魔法を解く中性魔法「パーゴマグナス」は、シムをクリックしても出てくる時と出てこない時があったり。
タイミングがイマイチ分かりませんが、とりあえず試してみましょう。
(大丈夫かしら……)
なんせ魔法でゾンビにされちゃったおばあちゃん。
信用できないのは当然です。
テレビそっちのけでサマンサをじっと見つめてます。
おお!
「……で、何か?」
あらら残念。
やっぱりゾンビは治らないのか。
パーゴマグナスって、どんな時使う魔法なんでしょうかね。
「どちら様で?」
翌朝出勤してきた執事さん。
サマンサの使用人と鉢合わせ。お互い仕事を取り合う羽目になってしまいました。
執事ケント氏、このまま首にされてしまうのでしょうか。
と思ったら、使用人が突然仕事放棄。
もしかして、また変な同居人が増えたことになるのかな。
そう心配していたのですが、この使用人いつの間にか消えていました。
魔法の効果が切れたんですね。
12時間ぐらいは働いてくれてた気がします。
「おばあちゃん、私達ちょっと出かけてくるわね」
「いいけど、新しい服買ってきてね」
「任しといて。おばあちゃんの時代のセンスにもマッチするようなの、買ってくるわ」
「そうね。あんまりハイカラだと、おばあちゃん引いちゃうしね」
「アウターに着替えちゃうと、魔女も何もないわね」
「仕方ないわよ」
さあ、今度は公共区画で暴れまわりますよ~。
「平和なベラドナコーブに、混沌を!」
マジカル姉妹、平穏のぬるま湯につかったご近所の目を覚ます、良いスパイスになるのでしょうか。
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