二人の使い猫、オロミーとモロミー。
仲はいいのですが、モロミーが攻撃的な性格のせいか、喧嘩を始めちゃいました。
ペット同士は、仲がよくても喧嘩する時があるみたいですね。
やる気のない執事。
仕事がなくなると、なぜか外の花壇に挟まった状態でずーーーっとオロオロしています。
大丈夫か、じいちゃん。
屋外で徘徊する執事を尻目に、二人はせっせと試薬の作成です。
「あんた何作ってんの?」
「光のエキス。そっちは?」
「神秘的な灰。結構よく使うよね」
「そうね」
しかし、地道にひとつずつ作っていくのでは埒があきません。
ここは師匠から試薬を購入することにしましょう。
そんなわけで。
「いらっしゃいませ、レディ」
「普通、弟子の方から訪ねてこない?」
「師匠、久しぶりです~!」
「あら、あなたもう極めちゃったの?」
こうしてみると、どっちがどっちだか分かりません。
「はい、試薬。ちょっとお高くてよ?」
「わぉ! ありがとうございます!!」
家の蓄えはまだあります。
どんどん買いましょう。
「いらっしゃい、師匠!」
「あなたも、ずいぶんいい緑になったわね~」
キンバリーも、お師匠様を呼びました。
「はい、試薬」
「ひゃっほう♪」
良い魔女と悪い魔女から買える試薬は、微妙に品目が違います。
特にマムシのエキスはどちらからも買えないようなので、自作するしかありませんね。
こちらから彼女達の住居を訪ねたら、もっと品数があったりするのかな。
呼び出した師匠さん同士、やっぱり仲が悪いようです。
早速喧嘩を始めて、良い魔女が悪い魔女をやっつけてしまいました。
「正義は勝つ!」
「今度は負けないんだからぁっ!」
たくさんの試薬を手に入れたキンバリー。
さっそく、禁断の最高位魔術に挑戦です。
「ヴィヴィフィカス・ゾンビーウ!」
死者をゾンビとして蘇生させる魔法のようですが……。
おおおお!?
「アギギ……」
「あら……。本当に蘇っちゃった?」
蘇生させたのは、姉妹の母方の祖母。
お墓がないのに、生き返らせることが出来るんですね。
蘇ったのはいいものの、欲求は色々と大変です。
サマンサの白い魔法の王座に座りましたが、普通のシムが座っても特に何もないようですね。
「私達が生まれる前に死んじゃったんだよね、おばあちゃん達」
ひょんなことから、家族が増えてしまいました。
後で確認しましたが、コーディアル家の家系図、ちょっと不具合があるようです。
ゾンビおばあちゃんは、なぜかキンバリーだけ、家族として認識してませんでした。
その他にも、このベラドナコーブには家系図の変な家族がいくつかあるみたいです。
「お腹をすかせた家族がいらっしゃる……」
ゾンビおばあちゃんの空腹を察して、冬の屋外でフリーズしていた執事が、稼動し始めました。
何作ってくれるんだろ。
ハンバーガーですか。
お昼のメニューは少ないので、仕方ないですね。
でもおいしそうです。
「ゾンビ、光の魔法で直らないかな♪」
「あなた、それを期待してあんな魔法つかったんじゃない?」
「あたりまえでしょ。
あたしだって、おばあちゃんをゾンビにする気はあんまりなかったもの」
「あんまり!?」
「いや、だから何とかお願いしますよ、サマンサさん」
「普通の魔法に『パーゴマグナス』って、呪いとか魔法とかを解く呪文があったけど……。
試薬がね。
とりあえず、欲求がぼろぼろなおばあちゃんのために、『ベネムードゥス・シマウ』っての唱えてみようか」
「それ頼む」
良い魔法にも死者蘇生っぽい魔法はあったのですが、唱える事が出来ませんでした。
こちらの魔法は、お墓がないと蘇生は無理なんでしょうか。
(これがおばあちゃん……)
おばあちゃんは、お客さんと楽しく食事中でした。
しかも、ロマンス願望でした。
このままで恋愛の花道を歩ませるのも、なんとなく気の毒です。
ゾンビ、何とかして治したいものですが。
「とりあえずは、欲求回復よね」
果たして効果のほどは?
体力以外、ほんのちょこっとだけ回復したようです。
良い魔法でも初級なので、こんな程度ですね。
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