「三人揃って朝ごはんって、久しぶりじゃない?」
「コーディアル家水入らずね~」
「コナーさんいるじゃん。階下に。朝ごはん呼ばなくて良かったの」
「お腹がすいたら、自分から来るでしょ」
コナーさん、絶賛放置中。
さて、執事とメイドのお掃除対決ですが……。
「壊れた蛇口の修理までは、メイドには出来ませんぞ!」
ケントさん、蛇口を修理した後、仕事はなくなったとばかりにその場で棒立ち状態となりました。
ところが、です。
「あら、こんな所に1ミクロンの汚れがついてるわ」
メイドさんが、フル稼働を始めたのです!!
「ここのシャワーも、一回だけ使用された形跡があるわね。
汚れは目に見えないうちに落としておくものなの」
メイドさん、掃除しまくりです!
ケントさんが気がつかなかった汚れを、彼女は見逃さなかったのです。
「ここも、指紋がついてる気がするわ……」
執事対メイドのお掃除対決。
その勝敗は、火を見るより明らかです。
というかケントさん、ダメすぎ……。
「素晴らしすぎる仕事振りだわ! 遠慮せず、とっといて頂戴!!」
「え……? でも、こんなにいただいていいんですか?
私、いつもどおりに掃除しただけなんですけど……」
ケントさんが働かないのはもう、性格に問題があるとしか考えられませんね。
「念のために、ケントさんのほかの性能も調べておこうかしら……」
執事って確か、火事が起きたら自主的に消防車呼んでくれましたよね。
ケントさんがもう一度消防車を呼んでくれるか、確認してみましょう。
もちろんこの部屋、火災報知機ついてません。
「火ぃ出た。さ、後はケントさんに任せて、シャワー浴びてこよ」
黒魔法のインフラモです。
自宅に火をつけるってのも、ちょっと変ですが。
「きゃー! 火事?! でも、なんでこんなところで!!?」
執事の性能テストで、とばっちりを受けるメイドさん。
手前の光の柱は、テレポートの魔法で火事から緊急脱出をするコラリアおばあちゃんです。
あれ?
消防車がもう来ちゃった?
「またキンバリーお嬢様の悪戯ですか」
ケントさんは火事に一切動じることなく、食器の片付けなどをしておりました。
変なところで落ち着いた人なんだから……。
「もう年末は忙しいんだからーー!!」
アパートで火事が起こったら、火災報知機をつけてなくても消防車が駆けつけてくれるみたいです。
ケントさんの火事対応能力の確認は、できませんでしたね。
仕方ないので、次のテストに移りましょう。
「今日はもう帰っていいわよ。明日もあさっても、休んでいいから……」
「おや、クリスマス休暇を下さるのですか?」
ケントさんを一時的にクビにします。
そう、今度は他の執事との比較テストです……!
新しく来た執事さんが有能に働いてくれれば、アパートライフの2ndパッチによる執事の怠け者化がバグなのか仕様なのか、はっきりすることになります。
……いやケントさん。
仕事が終わったんじゃない……。
雇用契約切れたんだってば。
「るるるるちゃんは、いつみても可愛いですなぁ」
どこまでもこの家が好きらしいケントさん。
そんなに帰りたくないんですか。
その後ろで、キンバリーは早速新しい執事を呼んでます。
「とりあえず、綺麗好きで掃除好きな人お願い」
「執事は執事。
キンバリーお嬢様、誰を呼んでも同じだと思いますよ?」
「仕事をしない執事は、執事じゃない
とりあえず、これだけは確かだと思うわ」
新しい執事は、ケントさんとは違うのか。
お次は、ダメ執事対執事の対決になりそうです。
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