「旦那様、今日の夕食は、なんでしょう」
「昨日が重かったから、軽くパスタだよ」
例によって、勤務時間の後も居残っているケントさんです。
「お二人とも元気で羨ましいですな」
「あ、こんばんは……」
誰だこいつ的にケントさんを見るジャスティン。
「ルルルルちゃんや、ちょっと重くなりましたか?」
「きゅんきゅん」
ああ……、ケントさんの表情が輝いてる……!
仕事中より充実した時間を、すごしていらっしゃる……!
「今日の晩御飯は、なんでしょうか」
「分からないけど、きっとおいしいですよ。
僕は、晩御飯よりいただきたいものがあるんですけどね」
クリスティーヌさん、表情に見どころ満載な方です。
さて、お待ちかねの夕ご飯。
コーディアル姉妹はお昼にたっぷり食べたので、夕飯はなし。
ケントさん、今日はしっかりテーブルについてます。
「……」
作った六皿全部、家族やゲストが食べてしまってるので、自分用の一皿を追加で作るアルマンドさん。
一体誰がこの家の執事なんだか、もう分かりません。
「新聞紙が湿ってるみたい……」
見た目は変わらないんですが、ルルルルのサークルが汚れていたようです。
お掃除はとっても簡単。
数秒で終わりました。もうちょっと綺麗に掃除する所、見たかったです。
「今日のパスタ、ハーブが効いてて最高でしたわ。
私、ローズマリー好きなんです」
「それは良かったです。今日は最高の夜になりそうですね」
居候なのに、悠々自適な生活を送るジョフさん。
お金持ちの出なので、遠慮とか知りません。
「ごちそうさま。
……キンバリー、後片付けくらいして欲しいなぁ
それより、今日は家に帰ってからキンバリーの姿が見えない気がする」
また異臭の苦情が来るので、誰かが綺麗にしないとだめですね。
誰かが。
「あーーー。
やっぱこの椅子、いいわ。
最近魔法の勉強サボりがちだったし、今夜は頑張った方がいいかな」
キンバリーは隠し部屋でくつろいでました。
「おや、キンバリー、今日は珍しくお勉強?」
「まーね。魔法忘れそうだったし」
区画の重さを軽減するために、オロミーとモロミーは一度無に帰ってもらいました。
二日間プレイしてもクラッシュが来なかったんで、二匹を呼び戻しても大丈夫かな?
「経済界守るのは俺~♪
家計を支えるのは俺~♪
家族の胃袋を満たすのも俺~♪
ついでに地球を守ってやってもいんだぜ~♪
だから俺を神と呼べ!」
アルマンドさん、一日の終わりに思いの丈を歌い上げます。
下品なジョークを連発しなければ、立派な人物だと思います。
アルマンドさんの不安定な歌声を強制的に聴かされるコナーさん。
深夜0時過ぎ。
「あ、メイド派遣会社さん?
一人お願いできますかしら。執事がイマイチ仕事してくれないんで」
ダメ執事疑惑が、確信に変わりつつあります。
食事作ってくれないのは、まだいいです。
しかし、ベッドメイキングすらしてくれないなんて、あんまりだ。
お腹をすかせたサマンサのために、ハンバーガーを作ります。
「メイドさんより性能悪かったら、ケントさんは首ね……」
「キンバリー、悪いわね。
こんな遅い時間に」
「いいわよ。
私の時は、サマンサにお世話してもらう予定だし」
「美しい姉妹愛ね」
「昔じゃ、考えられなかったわよね」
家人が寝静まれば、コラリアさん登場です。
「あの、あれはゾンビでは……?」
「おや、コラリア奥様」
いぶかしがるゲストと、動じない執事。
「もう日付変わってるし、そろそろ家に帰ったほうがいいんじゃない?」
「この家にはついつい長居してしまいますな。それではまた……」
朝にはメイドさんがやってきます。
どうなる、ケント氏。
片付け残しのお皿は、おばあちゃんがきれいにします。
まるで真夜中の良い妖精さん。
「私、悪い魔女なんだけどね……」
午前4時くらい。
隠し部屋で、お隣さんからの騒音。
あの向こうは、確か浴室だったと思うんですが。
「早朝にやめて頂戴!」
壁を叩いてみます。
「浴室で下手くそな歌、歌ってんじゃないわよっ!!!!」
異臭の苦情でしつこく文句言われたから、根に持ってる?
すごい形相。
「……静まった」
騒音消滅を確認。
そして……、
「仕返しだっ!」
おもむろにTVを入れます。
これぞ、悪の魔女!!
ちなみにTVの向こうは、お隣さんの寝室となっております。
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