「信じられない……! ムカツク!!」
「ただいま」
今日もつまんない学校から、帰ってきましたよ。
さーて、成績は……。
「【D-】……」
だめだ。
今日の成績も、見せられないよ。
昨日は大変だったから、宿題もやって行かなかったもんな。
「見なかったことにしよう」
この家に引っ越してきてから、毎日成績表を闇に葬り去ってる気がする。
「ただいまー。姉貴、新しいアウター、すっごく暖かくていい感じだよ。買ってくれて、ありがとう」
「あ、そう。むにゃ……」
なんか、お疲れモードだな。
とりあえず、昨日作りかけてた雪だるまを完成してっと。
なかなか力作だね!
なんせ、命かけて作ったから。
今日は凍えないよう、家の中で本でも読んどこう。
なんか、テーブルの上にギネスビールの缶が出てるな。
姉貴、昼間っから飲んでたのか?
一体、何の夢を見てるんだろう……。
「さーて、そろそろ縫い物をはじめようかな」
「姉貴、そのビール……」
「ロンドステを首になっちゃってね。ちょっとヤケ酒してたの」
ってことは、これからの稼ぎは、そのミシンだけってことになっちゃうの!?
俺達、大ピンチじゃないか。
こりゃ、宿題どころじゃないぞ♪
推理小説を一冊読み終えて、表を見てみたら、人がいるのに気がついた。
ずっと家の前を行ったり来たりして、なんだろう。
「こんにちは! あの、家に何か用ですか?」
「あ……。ど、どうも」
えーと、この人、一応男だよね。
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