学校帰りで、「楽しさ」が真っ赤だったから、とりあえず雪遊び。
宿題はそれからにしよっと。
でも、今思い返せば、この日は俺の今までの人生で、二番目くらいに最悪の日だったんだ。
あれ?
なんか、見慣れない生き物が遊びに来た。
姉貴の雪だるまに、話しかけてら。
かわいいなぁ。
ちょ……。
なんか、急に背中がぞくぞくしてきた。
いつの間に、こんなに体が冷えちゃったんだろ。
「あら、ヴァズ、学校から帰ってきてたの? あ、ペンギンだ。可愛いわね!」
「……姉貴、寒くないの? 俺、なんか体が……」
※凍りました。
「ぎゃああ! 弟が凍った! 警察! 消防!」
通行人「あ~、またか」
通行人「冬には、よくあるんですよ~。お宅、ここに引っ越してきて間もないんでしょ?
ほら、こーやってドライヤーで溶かせば、大丈夫」
通行人「このあたりの冬は、なめると命取りになるからね。
これからは、気をつけて」
「あ、ありがとうございます」
この人、俺と同い年くらいみたいだけど、学校じゃ見かけない顔だな。
もしかしたら、私立校の生徒かも。
なんにせよ、この人が通りかかってくれたおかげで、凍死せずにすんだんです。
凍結から回復したものの、体はボロボロ。
姉貴が沸かしてくれた風呂に入って、その日はすぐに寝た。
宿題どころじゃ、なかったよ。
「はっっっっっ!?
……夢?」
おまけに夜中、うなされて何度も目が覚めた。
「よかった……。夢だったんだ」
実は俺、幼児の時の記憶がないんだよね。
目の前に広がった真っ白な雪と、(多分)母親の冷たい手のひらの感触以外、何も。
俺の幼児期、一体何があったんだろう。
今日の一件で、嫌な事思い出しちゃったよ。
そんな事があった一日だったけど、これがきっかけで、とうとうこの家にも屋根がつきました!
姉貴いわく、本当はタイル張りの平屋根にしたかったらしいんだけど。
でも屋根がついて初めて、シムらしい生活が出来るってものだよ。
屋根がついた直後に腐り始める中華。
そしてこの日を境に、俺達の生活にも、大きな転機が訪れようとしていたんです。
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