月曜日は朝から雨だった。
「ひい~っ! 乗るっ! 乗りまーす!!」
危うく遅刻するところだったよ。
(お腹が空き過ぎて、どうしようもない……)
姉貴は、大体俺が学校に行った直後くらいに起きてるみたい。
「ヨーグルトとカッティングフルーツの瓶だけでも、買っといてよかったわね。
ダウンタウンへの出稼ぎは、夜にしようかな。
とすると、午前中はミシンね」
フルーツくらい丸ごと買ってきて、家で切ってもいいように思うんだけどな……。
(ミシン、なかなか上達しないなぁ。
やっぱり、あの手作り雑貨のお店に行ってみようかな。
なんか、毎週ミシンの講習会してるみたいだし……)
午後1時に帰宅。
あーもー!
そう毎日成績表をくれなくたって、いいのにっ!
そういえば、姉貴って「成績表見せろ」とか、言わないなぁ。
俺の学校の成績とか、どうでもいいのかな。
少なくとも俺自身は、学校の成績なんてどうでもいいよ。
宿題、ヤだもん。
とりあえず、学校から帰ったら楽しさ回復。
古新聞で、紙飛行機を作ってみた。
小学校以来、久しぶりだな~。
「結構作り方、覚えてるもんだね」
って、全然飛ばねぇっ!
良く飛ぶように作るには、どうすればよかったんだっけ?
しょうがない。別の遊びを探そう。
紙飛行機は資源用ゴミ箱へリサイクル。
季節はようやく冬が終わって、春。
もう雪で遊べないのは、ちょっと残念だな。
虫採りしてみよう。
昆虫標本作成とか、けっこう長く楽しめそうだしね。
雑草も植木もないこの家で、果たしてまともな虫が生息してるのかと思ったんだけど。
なんだか面白い蝶々が採れた!
よし、この調子で……と思ったら
「ぎゃぁぁっ!」
蜂の大群!!
どこに蜂の巣なんかあるんだよ!
家には巣を作れるような木も何も無いのにっ!!
(なんか、外が騒がしいわね。
ヴァズ帰ったのかな。もうそんな時間か)
(ミシンはこの辺にして、トイレ行って、夜のためにお昼寝しようかな)
(あれ? ヴァズ、家にいないな。
お外で遊んでるのかな?)
(ま、いっかー。寝よ寝よ)
蜂の大群に小一時間追いかけらた……。
気を取り直して、再び昆虫採集。
今日の俺は、結構ひどい顔してるけど、通りすがりのこのお姉さんには、負けるね。
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