”プルルッ”
「うん? 電話だ……。今何時だろ。良く寝たわね」
「あ、姉貴。夕食はピザを頼んだよ。今届いたとこ」
「そう。ありがと」
「はいもしも……(ちょっと待て、今私、変なもの見たよ?)」
「あ、ごめん。
どこの誰だか知らないけど、あとでまたかけ直してくれる?
じゃあね、バイバイ」
「ちょっと、ヴァズ! なんなのよ、その顔は。
もしかして、学校で喧嘩したの?」
「喧嘩っていえば、喧嘩かも」
「もぅ。子どもじゃないんだから、ほどほどにしなさいよね。
で、原因はなんなの?」
「あー……。
昨日ダウンタウンで、悪いのに絡まれちゃってさ。
そのせいみたい」
「不良は群れる奴が多いから、厄介よね。
まさか、寄ってたかってってワケじゃないでしょうね」
「確かに向こうは大勢だったけど、一人にたくさんでかかるのは、かっこ悪いと思ったみたい。
一応、タイマンで勝負させられた。相手は、すごいムキムキだったけど」
「ヴァズってさぁ、喧嘩強いの?」
「今日初めて喧嘩したから分からないよ。
奇跡的に勝ったけど」
「そう……。
とりあえず、今日は早く風呂入って寝なさい。
左目は、冷やしといたほうがいいわよ」
(勝ったか……。そこは敢えて負けとくのが、処世術なんだけどなぁ。
公立校は、やっぱ素行の悪い連中が多いのかしら。
私立の方がいいのかしらねぇ)
「もぎゅもぎゅ……。
それにしてもここのピザ、相変わらずおいしぃ」
姉貴がどこまで俺のことを心配してくれたのか、この顔からはいっさい謎……。
「もう一枚。昼食べてないから、お腹空くー」
「ぷはー! うめーっ!」
三枚目、完食。
ここんとこ、良く食べてるよなぁ。
「おう!? なんだか体が重くなっちゃったような……」
姉貴、膨張。
特に腰まわりが……。
「……。
気のせい、だよね?」
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■おまけ
エーナさんのお昼寝中の光景。
二人同時に、何かの願望がかなってます。
多分、二人が「永遠の親友」になった瞬間。
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