星子です。
我が家は相変わらず、とても平和。
最近旅行にいけるようになったり、趣味がもてるようになったりしたそうですけど、私達家族にはあまり縁のない話です。
だって、旅行はお金がかかるし、趣味はそれなりに広い家が必要になります。
我が家には、まだそれ程の余裕はありません!
私達が昼食をとっている頃、お母さんは銀河の部屋で読書中でした。
ライバルの書いた小説を読んで、研究しているんでしょうか。
ピンク色の表紙……。
お母さんは新聞のコラムの他に、恋愛小説を書いています。
でも、お母さんは書いた恋愛小説を私達に読ませてくれません。
未成年には刺激的な内容だから、なんですって。
「栄養満点の食材一かごお願いしまーす」
食事の後、なぜか私一人だけ、風邪をひいている事が判明しました。
どこでうつされたんでしょうか。
空が私に、「安らぎスープ」を作ってくれるみたいですよ。
楽しみ!
私は弟の銀河と、ゲームで対戦することになりました!
私、こう見えても結構強いんですよ?
「こら銀河! 今ズルしたでしょっ」
「うわー。なのになんで、僕負けちゃったの~?」
ずるして負けてれば、世話ないですよ。
ゲームでは私、弟だって容赦しません。
私の華麗なテクは、羽目技すら凌駕するのです。
台所では、空が料理中。
今お昼を食べたばかりだから、本当はお腹が一杯なんだけど……。
食べなきゃだめなのかしら。
「ゴーゴーゴー!! イエァーーーッ!!!!!」
「……」
ゲーム白熱中。
銀河は私と違って、集中すると静かになるタイプみたいですね。
「げほっ! げほっ!」
ゲームに熱中してたら、咳がひどくなりました。
空のスープを食べることにしましょう。
「どう? 季節の野菜と冷蔵庫に残ってた野菜、全部刻んで入れてみたの。
ビタミンも栄養もたっぷりよ」
「結構濃厚な味になってるね」
「隠し味は、チェダーチーズで~す。
グリルドチーズ伝道師って人が、チェダーチーズ配って歩いてたの」
この町にそんな人がいたとは、初耳です。
その頃、お父さんは小説の仕上げにかかってました。
お父さんの小説は、私達でも読んでいいことになっています。
お母さんも、新聞のコラムをまとめて一冊の本を出す予定みたいです。
名づけて「我が家の窓から眺めるリバーブロッサムヒルズ歳時記」。
タイトル長いです。
お父さんの小説が出来上がりました!
ベストセラーには届かなかったけれど、売れ行き好調でバンザイです。
「お父さん、おめでとう!」
「ありがとう、銀河」
狭い玄関で、喜びのダンス。
スープの後片付け。
キム、そこは食べ物を料理するところだから、乗っちゃいけませんよ!
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