結局エスプレッソ3つ。
「いい豆使ってるじゃない」
「さすがクラス長。違いが分かる人なんだ」
「ダウンタウンでバイト探してたって? 校則で禁止されてなかったっけ」
「うん……。バイト見つからなかったから、校則違反しなくてすんだよ」
「お前も苦労してるなぁ」
「それはともかく、お前ら家に帰ったらちゃんと宿題しろよ」
「そんなことしたら、最下位の成績が維持できないっすよ!」
「そんなもの維持してどうすんだよ」
宿題かぁ。気が重いな。
それにしてもこの店、確かに俺達以外コーヒー飲んでる人いないな。
お客さん達、キックバックにも疲れてみんな座ってるだけだし。
本当に、変な店。
(客来ねぇ……)
店員も店員で、態度が無駄に大きい。
収穫無しで帰宅。
「ただいま」
「ぐぅ……」
姉貴、また体力ぎりぎりまでミシンしてたんだな。
お決まりのピザ。
「うーん、いい香り! やっぱりトマトソースよねっ」
「どうだった? 初めてのダウンタウン」
「人多いし、排気ガス濃かった」
「ま、あそこは大人が楽しむ町だからね」
「ふふん。お金は私がガッツリ稼ぐから、あんたは心配しなくていいのよ。
ダウンタウンへは、私が明日行って、たっぷり搾り取ってくるから」
その搾り取ってくる手段が、俺には激しく不安を感じさせるんですけどねぇ。
財テクアドバイスみたいに、詐欺っぽい事しないよね?
「一日中、ミシンの前で座りっぱなしだったけど、意外とお腹すいてるのよね」
姉貴、二枚目。
俺達も一日中歩き回ってたから、お腹ペコペコだよ。
結局残りも、俺とチャーリーで全部平らげた。
「疲れたから、先に寝る。あとはよろしく」
姉貴、早々とご就寝。
あとはよろしく?
風呂が壊れてる……。
「これくらいなら、俺でも何とか……」
風呂を直して、こぼれた水をふき取って。
んで、ついでにトイレ掃除。
俺は姉貴に養ってもらってるけど、その姉貴の面倒見てるのは俺な気がする。
バランスが取れてて、いいんだろうケドね。
あ、宿題忘れてた。
もういいや。
おやすみなさい!
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