自宅で恐ろしい接待が行われていることは露知らず。
カフェは無事に閉店時間。
このカフェ、土日は休業らしく、金曜の閉店後は店内の大掃除。
飲食店なのに週末休んで、いいんだろうか……。
「トイレが命……」
こっちも綺麗にゴシゴシ。
こまめに掃除してるから、大して汚れてないんだけどなぁ。
「ふう~。中腰姿勢って、結構きついなぁ」
後はこの洗面台を磨けば終わり。
うわ、もう10時近くじゃない?
慣れてないと、掃除も時間がかかるんだな。
「店長、掃除終わりましたー」
「おお、よくやった。だいぶ遅くなったな。
今から家に帰っても、夕食にゃ間に合わんだろ。
俺んちで食ってけ」
「えっ、いいんすか?」
店長って、ダウンタウン住まいらしい。
都会の家って、どんなだろ。ちょっと興味あるかも。
というわけで、店長の自宅へお邪魔させてもらうことに。
自家用車、持ってないんだ。意外。
ところで玄関先に、ランプと紫の人がいるんですけど……。
「店長、あれは一体……」
「ランプの魔人?
マッチメーカーのばあさんがくれたランプに入ってたんだけどな。
三つの願いをかなえるって言われても、俺は今の生活に満足してるし、使い道ないんだよなぁ。
そこに出しっぱなしにしてれば、防犯装置代わりにゃなるんじゃないかと思ったが、
そんなことは一切なかった。そのうち売っぱらうつもりだ」
だったら、俺が欲しいんですけど。
「とりあえず、上がれ。一人暮らしだから、遠慮せんでいいぞ」
「お邪魔します」
「着替えてくるから、その辺に座って待ってろ」
「了解っす」
うわーいいなー!
家具が一杯あるよ、この家!
俺んちがなさ過ぎるだけなんだろうケドさ!!
「……なんだろ。この大きなダンボール箱。
明らかに邪魔なんですけど」
「ノエル・ソニエのヴィンテージポスター?
ソファーも高そうだなぁ」
「テレビだ。
久しぶりに見た」
お気に入りのアニメとか、もうずいぶん見てない気がする。
実はと言うと、テレビのない生活にちょっと慣れてきてるんだけどね。
「店長。あのダンボールなんなんですか?」
「それが、全ての元凶だ。
お前の姉貴が買えっつったポーションの在庫だよ!」
「あ、あんなに買ったんですか!?」
ポーションて安くないよね。
たぶん1箱で2000~3000$するんじゃないだろうか。
「ところでステーキ焼くけど、ブランデー使って大丈夫か?」
「料理に使うくらいだったら、大丈夫っす。
そこまでアルコール弱くないと思いますよ」
というか、そこのカウンターにワイングラスが。
キッチンドリンカー?
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