明け方に、母の陣痛が始まりました。
ヨハンがあわてて駆けつけます。
「生まれるわよぉ~っ!!」
さあ、弟かな、妹かな。
生まれたのは男の子。
パスカルと命名されました。
ところでヨハン、あなたはこんな大事な時にいったい何に気を散らせているんです?
パスカルは、母親似、父親似、どちらでしょう。
できれば、ヨハンに似てないといいのですが。
彼の顔はいかついばかりで、少なくとも美男ではありませんから。
母が出産で疲れて眠ってしまったので、私がパスカルのお守りです。
「さあ、お姉様がオムツを替えてあげますよ~」
赤ん坊って、首が据わってないので、抱き上げるのはちょっとドキドキです。
粉振って~。
お尻きれいきれいです。
かわいいですね。
早く大きくなって、一緒にビリヤードをしてみたいです。
仕事で忙しかったヨハンも、この日ようやく落ち着いて赤ちゃんを抱くことが出来ました。
でも、どうしてこの二人、結婚しないんでしょうね。
赤ちゃんが生まれた翌日は、私が大学に行く日でした。
最後に、みんなで一緒にご飯を食べました。
お客さんも混じってますけど。
私が帰ってくる頃には、パスカルもきっと大きくなっていることでしょう。
せいぜい留年などしないよう、がんばって行ってきます。
母さん、パスカル、ヨハン、さようなら。
また四年後にここで会いましょう。
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