話が途切れてしまいました。
こんなときは、ちょっと茶目っ気を出してみるのがいいんです。
噴水に、粉石けんを加えてみました。
私ったら!
沸き立つ泡。
富永さん、喜んでくれたみたい。
他の人たちにも、受けたようです。
それにしても、ここまで泡立つとは思いませんでした。
その後は枕たたきで遊んだり。
デートって、こんな感じでいいものなんでしょうか。
「お嬢さん、お連れさんの背中にごみがついているわよ」
あら?
背中にごみはついてませんでしたけど、私、ようやく富永さんに触れることが出来ました。
背中、かなり凝ってますね。
物書きって、ずっと座っての作業だから、本当に肩がこるんですよね。
富永さんとはそこまで出お別れして、私はダウンタウンのはずれの画廊に足を運びました。
ここのオーナーは、町に住む人々の肖像画を描き続けている人らしいです。
絵を見てみると、どこかで見たような顔や、ぜんぜん知らない顔がありました。
もうすでに亡くなった方の肖像画もあるようです。
「依頼をすれば描いていただけるんでしょうか」
「失礼ですが、依頼よりもむしろ、僕が描きたいかと思ったかどうかですね」
私の肖像画なんて書いても、つまりませんわよね。
「知り合いに、緑の肌の美少女姉妹がいるんですけど……」
「なに、それはぜひとも会ってみたいです!」
「今度連れて来てみますわね」
これで、また富永さんに会う口実が出来たかもしれません。
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