次の日、父のお腹がまた大きくなっていました。
これは、まさか。
父の心配はさておき、信じられないことがおこりました。
父の小説が、ベストセラーになったのです。
どうやら父は、自分のあの体験を小説に盛り込んだらしく。
なるほど。
だから、ベストセラーになったのですね。
父はさっそく、次の小説執筆に取り掛かりました。
それにしても、ぽっこり出たお腹が気になりますね。
僕が学校に行く時間になったとき、父が苦しみだしました。
「父さん大丈夫?」
「だ、大丈夫だから、早く学校に行ってきなさい!」
それで仕方なく、僕は学校に行ったのですが。
家に帰ってきてみると、信じられない光景がそこにありました。
家の中に、ベビーベッドが二つも。
「おお、よちよち。あ、お帰り、信也」
緑の赤ちゃん?
僕はまったく状況がつかめません。
しかし、そこに赤ちゃんがいるのは確かな事実。
そして、オムツが汚れて泣いているなら、オムツを替えてあげなくちゃいけないわけで。
それにしても、こんな狭い家に子供がふたりも……。
この子達が大きくなったら、家はパンクしてしまいます……。
子供のお世話が済めば、父は再び執筆活動に。
こころなしか、前よりも執筆意欲が倍増しているようにも見えます。
まあ、確かに、新たに増えた二人を食べさせていかなくちゃいけないですからね。
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