「朝か」
まだ暗いうちに目が覚める。
「昨日は掃除ができなかったもんな」
暗いうちから起きてトイレ掃除。
うーん、働き者の鑑だね。
風呂掃除。
俺と姉貴しか入らないから、汚れも大してないんだけど。
姉貴は超綺麗好きだからどんな汚れも見落とさないけど、怠け者だから自分ではあんまり掃除したがらないんだよね……。
最後に自分の歯もお掃除、と。
やば。スクールバスが着たみたいだ。
さて、姉貴はいまだ熟睡中。
どうやら今日は休日らしい。
「うあ~。よく寝た。
休みだし、久しぶりにお出かけしようかな」
太って以来外出したがらなかったけど、家に引きこもってるとさすがに退屈してくるらしい。
「誰よ。こんなところに大穴あけたのは」
恐らく野良狼だろうけど、後で俺が塞いでおく予定になってます。
さて、最初にやってきたのは裁縫屋さん。
ミシンの講習とかもやってるらしい。
「邪魔するわよ」
店内は手作りの品がいっぱい。
そういえば、姉貴はもうぬいぐるみは作れるようになってたんだよね。
「あら、エーナさんいらっしゃい」
「ずっと前にお願いしてた初心者用ミシンの教材、もらいに来たわ」
「練習用ミシンがあるから、そこでちょっと試していって頂戴ね」
やさしそうな裁縫屋店主のピアフさん。
「これか……」
神妙にミシンの練習をする。
女の人相手だと、姉貴は比較的おとなしいみたい。
ミシンのあとは、ピアフさんの直接講義を拝聴。
「端ミシンの極意は、『勢い』と『思い切り』につきます。
少しでも迷いや躊躇や煩悩があると、歪んじゃうの!」
「迷いかぁ!
それで私いままで、端ミシンをことごとく失敗してたのかも!!」
迷いなんて、この人にあったっけ?
ミシン講習のあとは、散髪屋さんへ。
すごく小さい店だけど、結構お客の入りはいいらしい。
「いらっしゃいませ~!
お客さん、お初ですね。
どんな感じにいたしましょう?」
「伸びた分だけ切ってくれれば、それでいいわ」
「あ、それと春らしいメイクもお願いね」
なぜか仏頂面。
「春らしくですね~。
お客さん肌が白いから、ピンク系がいいかもしれませんね~」
「何でもいいけど、あんたほんとに腕は確か?
この店ができてから、街中に変なメイクの人が増えたってうわさもあるんだけど」
「あ、それはうちの見習ちゃんが関係しているかもしれません~」
で、結局。
(どこがどう変わったのか、微妙すぎて自分でも分からない……)
さらに我がシム界は、冬真っ盛りだったことをここで思い出す。
サロンで微妙なお色直しを終えた後、姉貴が向かったのは港通りのレストラン。
(昼にしようと思ったけど、家で食べた方がお金が浮くわね……。
つーか、請求書が今日明日当たり届くんだったわ)
貧乏性でなかなかお金が使えない。
「オレンジジュース。度数のきついのを頼むわ」
「100%がありますが」
「あー、さすがに昼からそれはやばいかな。80%のをお願い」
「かしこまりました」
結局海辺のディスコでフルーツジュースを一杯やってご帰宅です。
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