「どうだい、タラちゃん。
大人用の服を買いに、俺とそこまでデートしない?」
「デート?」
「もうすぐ大人になるんだからさ、レディの立ち振る舞いとか、いろいろ教えちゃうよ。
それにこう見えても、おじさんレディの服にはちょっとうるさいの」
「うわぁ!
ジョフおじさんが服を見立ててくれるなら、絶対間違いないですよね!!」
「じゃ、行こか。パパからたっぷりお小遣いもらっといで~」
「なになに? 出かけちゃうわけ?」
「誕生パーティーまでには戻るよ」
「タラ、お小遣いならいくらでもあげるけど、何に使うの?
一戸建てでも買うのかい?」
「デ・バトゥご令嬢には、ドレスはいくらあっても足りやしませんよ。
お嬢さんは僕がしっかり監視して、悪い虫がつかないようにするんで、安心して下さい」
「……だから心配なんだよなぁ」
その直後。
「あらーん。ジョフさんお出かけー? 帰りに食材買ってきてくださるぅ」
「構いませんよ~」
互いにハートを飛ばしあうサマンサとジョフさん。
アルマンドさんは、コナーさんにダメ出ししてるし。
これは一体?
「あの、ねぇサマンサ。ちょっと遠くない?」
「何が?」
だってこの夫婦の距離、なんか開きすぎてるんですもの。
一緒にテレビ見てるはずなのに。
この夫婦、だめになるのか……?
さて、タラちゃんはジョフさんと一緒に洋服屋さんへやってきました。
雪景色がきれいですね。
おしゃれなお店です。
「おじさんの勧める服、私にはちょっと着にくいなぁ」
タラちゃんは服を物色。
ジョフさんは、女の人を物色中です。
「かわいい! けど、私のイメージじゃないかなぁ」
もうちょっと大人しめのものがいいかもしれませんね。
「これだけ下さい。これ父さんのカード」
「わお! お買い上げありがとうございまーす」
大人用の服をたくさん買いました。
自宅に帰ったら、一人ファッションショーの始まりですね。
昼ごはんは、隣のファーストフード店へ。
二人に隣に座った金髪女性は……?
「あら、ジョフさんいらしてたのね」
「こんにちは。悪いけど、今日はあなたの相手はできないんですよ。
若いレディと一緒なもので」
「あの、えっと……。ジェシカさんですね」
「名前を覚えてくれて、光栄だわね」
父親の前妻と会って、ちょっと気まずいタラちゃん。
しかもその人がジョフおじさんの愛人ですからねぇ。
「もしかして、お二人とも結婚とかって考えてるんですかぁ?
コナーさんも、そろそろジョフおじさんは結婚した方がいいって言ってましたし」
「うーん。でも僕たちはいわゆる大人の関係だからねぇ」
「大人の関係? ドラマとかでよく見ますけど、私どうしても理解できないんです。
先も見えない関係なのに、どうして今一緒にいられるのか……」
「まー、理性で理解する関係じゃないからねー」
「あなたも、いずれ分かる日が来るかもよ。フフフ」
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