「なあ信也、どっか出かけてみないか? 俺達だけで」
「どこかあてでもあるの?」
「ダウンタウンに新しいところが出来たみたいなんだけど、一人じゃ入りづらくってさぁ」
「ああ……。そういうこと」
ってわけで、お出かけです。
たまには男二人ってのもいいでしょう。
「ここが新しく出来たとこ? ぜんぜんそんな風じゃないけど」
「いやさ、まずここで一杯飲んで勢いをつけてだな」
勢いをつけなきゃ、行けない所なんですか。
「いししっ」
「そこ、やばいお店とかじゃないよね」
「多分大丈夫」
「なんかこの飲み物苦いな」
「お酒だからだよ」
「苦い!」
信一には、お酒は口に合わないようで。
「それじゃあ、そろそろいくかぁ」
「楽しみだね」
で、やってきたのはここ。
物々しい建物。
しかも窓がついてないし。
中に入ると真っ赤。
「滝がある……」
カウンターには誰もいないです。
チケットマシンもなし。
「二階に何かあるのかな?」
ということで、登ってみましょう。
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