お腹が空いてきたので、ブルーウォーター村の和食料理店に足を運びました。
レストランに行くのは、初めてです。
所持金に不安はあるんですが、たまには自分の好きなものを頼んでもいいでしょう。
それにしても、ここのウェイトレスさん、鉛筆の持ち方を知らないようです。
教えてあげたほうがいいんでしょうか。
ロブスターを頼んでしまいましたが、本当によかったんでしょうか。
でも、一度食べてみたかったのです。
僕がロブスターを食べていたら、お店にこの子が入ってきました。
同じクラスの、お金持ちのお嬢さんです。
せっかくなので、お話してみることに。
「僕の家で、この間火事があったんだよ」
にかっ
「ビクッ」
「あるある! 家でも火事出しちゃったことあってさー。家のママ、そそっかしいのなんのって」
ああ、よかった。
話が合ったようです。
「世の中、やっぱりお金じゃないよね」
「はあ?」
「あたし、世の中の半分以上はお金でどうにかなると思うけど?」
「え……?」
お金持ちって、なんか嫌味です……。
トイレに行って、家に帰ることにしましょう。
なんにしても、今日は三人の同級生と知り合えたので、成果は上場といったところでしょうか。
家に帰ると、父は出版社からの電話をとっていました。
やはり、植物シムの生涯は、地味で単調すぎたんでしょうね。
「今日は三人の知り合いが出来たよ」
「おお。それはよかったな」
「それより、父さん。次の小説はどんなのにするの?」
「平凡な男の日常生活を細かく描いてみるつもりだよ」
……それって、父さんの事じゃありませんか?
今回の小説は、いつになく地味になりそうです。
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