キムもいっちょまえに、テレビを見るんですね。
テレビが何を言っているか、分かるのかしら。
今日は銀河の初登校日でした。
「僕、今日みんなの前で自己紹介したよ。すっごく恥ずかしかった」
銀河も両親に似て、とても内気なのです。
二人でテレビを楽しんだ後は、さあ宿題です。
「そこは割り算で考えるんだよ」
「割り算かぁ」
父さんが宿題を見てくれるんなら、楽勝だよね。
空にはスコット君という素敵なボーイフレンドがいますが、私だって男子の友達がいないわけじゃないのです。
彼は、中嶋慎吾君。
クラスメートです。
私はスコット君とは話が合わなかったけど、彼となら……。
「今日社会科の先生、傑作だったね!」
「そーそー!」
「それでね、それでね!」
「うん」
お母さん、すごい笑顔で、私達の話の邪魔をしないでくださいよ!
信吾君に、夕ご飯をご馳走しました。
ちょうど銀河も夕ご飯だったのですが……。
「むしゃむしゃ……」
「もぐもぐ……」
「ごくり……」
「ぱく……」
会話がありません。
やっぱり銀河が内気だったからかな。
その日の夜遅く、お父さんの小説が完成しました!
お父さんもお母さんも、ベストセラー作家ってとこでしょうか。
ところが。
いいことの次には悪いことが起こるものです。
私達みたいなお金のない家に、泥棒が!
慌てて、警察に電話です!
ひゃあ! 扉の向こうに、泥棒がいますよ!
そしてこの泥棒、私の部屋の絵に目をつけました。
ああ! その絵は高いのに!
警察の人が飛び込んできました。
私の部屋で、泥棒と乱闘です。
私の部屋で……。
「うをりゃりゃりゃ!」
「どぅええええええぃ!」
ばちんどかん
乱闘中申し訳ないのですが、私は明日もある身です。
ということで、おやすみなさい……。
乱闘は警察の勝利に終わり、泥棒は御用となりました。
去っていく泥棒と警察。
本当にとんだ晩でした。
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