僕は富永信也といいます。
突然ですが、僕の前髪は長すぎると思いませんか?
でも、僕にはこれくらいがちょうどいいのです。
誰かに顔を見られていると、恥ずかしくて話せなくなってしまうからです。
でも、僕だって、そこそこの顔をしてると思うんですよ。
一人くらいにもてたって、いいじゃありませんか。
そう思います。
しかし現実は厳しい。
そして激しい。
父が引っ越し初日に、火事を出しました。
あわてて消火です。
しかし、火の勢いはとどまるところを知りません。
父さん、ガスレンジで一体何を焼いていたのですか。
僕は、ただ慌てることしか出来ませんでした。
十代にもなって、ちょっと恥ずかしいですね。
ガスレンジに入っていたもの。
それは渦巻きパンでした。
何をどうして、渦巻きパンからあれだけの火が出るのですか。
やれやれ。
それにしてもひどい火事でした。
お風呂にはいって、ほっと一息。
二度と火事を出さないように、二人そろって料理の勉強です。
といっても、家事は僕が全てやるので、父は勉強の必要がないんですけどね。
それよりも、小説を執筆してもらわないと。
我が家の家計は、とてもひっ迫している状態なのです。
書いてもらわないことには、この先の生活もままなりません
近所の人たちが、引越しの挨拶に来ました。
父がこわごわ挨拶をします。
僕達親子は、どうにもシム付き合いが苦手です。
お客さんが側に来ても、内気な僕は、何もしゃべれません。
本に集中しているふりをしましたが、不自然でしょうか。
食事をしながらなら、何か話せるかもと思い、昼ごはんを作りました。
今日のメニューはワンタンメンです。
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