Simple Life

信一の誕生日をむかえました。
誕生パーティーを開くため、お店は閉めます。



「誕生パーティーって……」
「うん。家族だけで」



家族と、圭子がつれて帰ってきた仕事友達の三人だけで、お誕生パーティーです。
ぷーぷー
ぞりぞりぞり



はい、成長……。
なんか目つき悪いですね。
目は敦に似て、眉は圭子に似たようです。



お誕生日が終われば、せっせと日常の仕事に戻ります。
敦はキッチンの掃除。
「これ終わったら、店開けとかないとな」



それから、信一の言葉のお稽古です。
それが終わったら、あんよのお稽古。
夜が明けたらまた忙しくなりますから、今のうちに詰め込み教育です。



はやくおしゃべりと二足歩行を覚えてね。
覚えたら、君にも店番を手伝ってもらうつもりだから。



夜が明けて、敦はお店。
圭子が信一のお稽古の続きを引き受けます。
「ちごとのあとのいっぱいは、かくべちゅだねーい」
「もう敦ったら、どういう言葉教えてるのよ」



一通り教育を終えて、信一はベビーベッドへ。
圭子も店番に立ちます。
今日も、礼治が来てくれたようですね。
しかもなんか、二人の女性にマークされてるみたいだし。



「圭子ちゃん、こちらのお嬢さんたちにも何か飲み物を」
「はいはい」
二人の美女にもてて、礼治もうれしそうです。
奥さんの真理が知ったら、怒るよきっと。



信一、お昼ご飯です。
「まだおべんきょしなきゃいけないの？」



「あともう少しの辛抱だからな」
あんよのお稽古の、仕上げです。
これでマスター！



あ、お店にブラックリストに載った女性客が来てます。
今は他のお客さんと、楽しくおしゃべりしているようですね。
すぐに追い払うのもかわいそうなんで、ちょっと様子を見てみましょう。



楽しそうにジョークを連発してます。
他の客との相性はいいみたいです。
追い払う必要はなさそうですね。



おっと。
こちらでも何か揉め事か？



あ、いや。
お客さんたち、また和やかに談笑を始めてくれました。
いつ、喧嘩が起きないかと、なかなかお店から目が離せません。