さて、今日も今日とて、妙な依頼を受けました。
プロポーズを前に怖気づいてしまった依頼人。
「俺はいままで仲人役などやったことはないんだが」
「君に頼みたいのは、もっと地味な仕事だよ」
依頼人は、この間委託販売所で延々と彼女といちゃついていた男性。
彼女の愛の前に、自分のファッションをどうにかした方がいい気もします。
また人のうわさを集めなきゃいけないんですね。
結局、彼女のコンピューターに侵入して操作することに。
(結婚してだめだったら、また別れたらいいだろ……)
人の恋愛ほどどうでもいいものはありません。
功さん自身、愛に飢えているというのに。
あんなにいちゃついておいて、彼女は彼に興味なしなんだ。
とりあえずも依頼終了です。
もっと大きな事件ないのかなぁ。
その晩……。
うわ! 濡れ衣をかけられてしまいました。
セレブの宿命です。
うわさを広めたのは、功さんが夢に見ている赤毛の女性なのでしょうか。
(ゴミ箱は漁ったが、喧嘩なんか一度もしてない……)
ただでさえ薄かったシム関係が、悪いうわさでさらに疎遠になってしまいました。
うわさを信じる方もひどいよ……。
(人の信用なんて、濡れ衣ひとつで簡単に崩れるもんなんだな)
仲が良かったギリアンさんや、テイ君との友好度もかなり下がってしまいました。
せめて友達との友好度は、悪いうわさに左右されなかったらいいのに。
親友だったら、もしかして下がらなかったんでしょうか。
世の無常を思いながら、ビーチでたそがれる。
仕事する気にも、電話に出る気にもなりません。
そういえば、釣りスキル、まだあんまりあげてなかったな。
「くそ。探偵業やってんだから、自分の濡れ衣の出所くらい捜査できないのか」
いくら探偵稼業についていても、こればっかりは無理なようです。
日が暮れて、ようやく仕事をする気になりました。
しかし。
「パパラッチ……」
「ばっちり撮っちゃった♪」
パパラッチに見つかる。
やる気が失せた! もう帰る!
「ところでカメラは入ってる? パパラッチを逆スクープしてやるんだ」
「あんたみたいなセレブには売らないよ」
帰りがけに立ち寄った委託販売所でも、冷たい対応。
翌日。
憂鬱な午前を過ごした功さんは、サロンにやって来ました。
こういう時は、思い切ってイメチェンすると気が晴れたりするものです。
「ということで、頼む」
「本当に任せてくれちゃっていいの?」
なぜかファン・デアラーさんがスタイリスト。
大丈夫だろうか。
「こんなのはどう?」
「ちょ、これって……」
(ティーンの時の俺じゃないか……)
「あれ? 気に食わなかった? 似合ってると思うんだけどな~」
思い出したくもない青春をまざまざと見せつけられました。
しかし似合っていたので、今日いっぱいはこの格好で過ごしてもらいましょう。
濡れ衣を着せられてから、ひどい毎日が続いています。
そしておなじみのベイレス家。
今夜は珍しく両親が在宅で、子ども達がいません。
「おいテイ。今何時だと思ってるんだ。日付変わる前に帰ってこい」
時間が時間だけに、電話で呼び戻します。
テイ君が帰ってきました。
すかさず、悪いうわさを打ち消します。
「というわけで、俺が喧嘩なんかするわけないだろ。信じてくれよ」
「そうだね。兄ちゃん、喧嘩弱いもんね」
「うう、心の友よ」
(だめだ。この兄ちゃん、僕がいないと本当にダメになってしまう)
テイ君、今後も功さんと仲良くしてあげてください。
もう君だけが心の支えです。
「今日から東洋の武術について学ぼう」
「自分が読みたいだけなんじゃない?」
仲直りのしるしに、また本を読んであげました。
その頃のノーム。
壁の中から、魔の手が……。
ノーム、逃げてー!
人のうわさも三日まで。
功さん、再び郵便受け覗きを始めます。
悪いうわさがたっていたときは、一応控えていました。
「今日もよく働いたなぁ」
夜に時間が余れば、スキルアップ本をちょこちょこ読んでいきます。
そして日中はひたすら捜査。
「……お父さん似だな」
前回と同じ、プロポーズの依頼が来ました。
今度の依頼者は、例のバック・グリーンです。
バックさんには彼女がいたようです。
ウェイ・キーンの恋は永遠にかなわないかもしれません。
いつの間にか年老いていたノームも、ままならぬシムの恋路に感慨深げです。
「あんたさ、とりあえず彼女と結婚しておいた方がいいよ。
あんた、生き物好きなんだろ」
「その辺の生物と、僕の彼女を一緒にしないでください……」
「報告書……。前のやつ、コピペすればいいよな」
この依頼の結末は前回と同じ。
バック・グリーンの彼女は彼に興味など無く。
ウェイ・キーンと妙な三角関係が出来上がりました。
帰りがけ、たまたま立ち寄ったコインランドリーで、故障発見。
器用さスキルもだいぶ上がってるし、ちょっと挑戦してみましょう。
直るかな?
あっ! なんてことに!!
「兄ちゃん、今日はなんだか焦げ臭いね」
「片思いってのは、いつもひとり、身を焦がすもんなんだぜ……」
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